出典
トクー!旅行の窓口「最新渡航情報&ニュース」一覧(2026年8月31日付「【APECビジネストラベルカード】5つの国・地域が滞在上限を60日→90日に延長へ」)、外務省ABTC公式ページ(mofa.go.jp)、samurai-law.com「APECビジネストラベルカード(ABTC)のメリットとデメリットを解説」を参照しています。
要約
旅行会社系の渡航情報サイト「トクー!旅行の窓口」の最新ニュース一覧に、2026年8月31日付で「APECビジネストラベルカード、5つの国・地域が滞在上限を60日から90日に延長へ」という項目が掲載されました。ABTC(APEC Business Travel Card)は、APEC域内で頻繁に出張するビジネス関係者を対象に、ビザなしでの入国と入国審査時の専用レーン利用を可能にするカード制度です。
外務省の説明によれば、ABTC所持者は、APEC域内を短期商用目的で渡航する場合、事前に各国・地域の承認を得ることで、査証なし(すなわち旅券とABTCのみ)で入国審査を受けることができ、入国審査時に、ABTC専用レーン(または優先レーン)を利用することができます。現在、APECには21の国・地域が参加していますが、ABTC制度に完全参加しているのは米国とカナダを除く19か国・地域です。
これまでABTCで認められる最大滞在日数は経済圏ごとに幅があり、認められている最大滞在可能日数は、60日〜90日です。ただし、国・地域によって日数は異なります。滞在日数は、予告なく変更となるケースもあるため、注意しましょう。今回のニュースは、このうち5つの国・地域が滞在上限を90日へと引き上げたことを伝えるもので、商用渡航者の利便性向上につながる動きとして注目されています。
考察
ABTCはもともと、加盟エコノミー間のビジネス往来を円滑にする目的で1999年から運用が始まった制度です。滞在上限が60日から90日に延びれば、長期の商談や技術指導、投資関連の契約手続きなどで複数回の出入国やビザ再取得の手間を減らせるため、頻繁に海外拠点を行き来する企業にとっては実務上のメリットが大きいと考えられます。
一方で、どの5つの国・地域が対象になったのかという具体的な内訳は、今回参照した情報源の見出しレベルでは明らかになっていません。ABTCの運用ルールは各エコノミーの裁量に委ねられている部分が大きく、多くのエコノミーでは、ABTCまたは査証免除での上陸許可は、「直近の180日間で90日以内」などの在留期間の上限を設けているため、90日への延長が発表されても、180日ルールなど別の制限が併存するケースがある点には注意が必要です。
こうした制度変更は、コロナ禍後のビジネス往来回復や、APEC域内での経済連携強化を背景にした動きの一環とみられます。ただし公式発表がすべての言語で同時に整理されるわけではないため、実際に渡航を計画する企業担当者は、外務省や渡航予定国のABTC所管機関の一次情報を必ず確認することが重要です。
日本人への影響
商用渡航者には滞在延長のメリット観光目的では利用不可のため一般旅行者への直接影響は限定的対象国・地域や条件は予告なく変わる可能性あり
今回の制度変更が直接関係するのは、日本国籍のビジネス関係者でABTCを保有・申請している層です。観光目的の一般旅行者は対象外で、ABTCは、短期商用目的の滞在に使用できるが、観光目的で使用することはできないため、旅行ブログの読者の多くにとっては直接の影響は限定的といえます。
一方で、日系企業の海外駐在員や、頻繁に出張する商社・製造業関係者にとっては朗報です。滞在上限が90日に延びた国・地域では、短期出張の回数を減らしたり、現地での商談期間に余裕を持たせたりできる可能性があります。日本国内でのABTC申請自体は日本においては2024年4月よりバーチャルABTCにリニューアルし、オンライン申請を導入しましたという体制がすでに整っているため、申請そのもののハードルは高くありません。
注意点としては、滞在日数のルールは各経済圏の裁量で決まり、将来的に再び短縮される可能性もゼロではないことです。すでに専門家サイトでも滞在日数は、予告なく変更となるケースもあるため、注意しましょうと指摘されており、ABTCを保有している人は渡航のたびに最新の滞在可能日数を公式情報で確認する習慣を持つことが望ましいでしょう。
